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ゴマ [作物の花]

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 「ひらけ〜ッ、ゴマ!!」。山賊の頭が呪文を唱えると、あーら不思議、大きな岩がゴゴゴッと開くのでした……。そう、ご存じアラビアンナイト、「アリ・ババと40人の盗賊の物語」の一場面です。両手に荷物を抱え、玄関の前で真似して「ひらけ〜ッ、ゴマ!!」と叫べば……、何も変わらない。現実は甘くはないのです。でも、どうしてゴマなのでしょうか。ゴマは成熟後に乾燥させると、さやが割れて中の種が弾けます。このことから、パッと勢いよく開く様子を表現する、当時の慣用句だったといわれています。また、栄養価の高いゴマに、神聖な力があると信じられていたからかもしれません。

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 私たちの食生活にも身近なゴマ。かつては日本のそこかしこでつくられていたようですが、今はほとんどが輸入とか。それでも、どこかにないかと野菜の本をめくっていると、容器に「皆野町産」と書かれたゴマの写真が載っていました。古そうな写真だったので、もうつくられていないかもしれないと思いながらも、皆野町の役場に問い合わせると、対応してくれた方の隣の席の方の家でゴマをつくっているというではありませんか。なんというラッキー!! さっそく出かけることにしました。

ゴマ02.jpg

 草取りに精を出していた農家のお母さんがいたので、ゴマの畑の場所を訊ねると、なんとお母さんが草取りをしているそこがゴマの畑。でも、花はおろか、ようやく双葉が土から顔を覗かせたばかり。ゴマは乾燥には強いけど雨には弱く、ここのところ雨が多くて、なかなか芽が出なかったのだそうです。「あと1カ月もすれば、花が咲く」とのこと。ゴマには種類がありますが、お母さんがつくっているのは香りのいい金ゴマだそうです。

 1カ月後、再び皆野町を訪ねてみました。ゴマは人の背丈ほどに成長。筒状の淡いピンクの花が、葉の間に覗いています。花びらの先は5つに裂け、唇のような形。ミツバチが盛んに筒状の花の中にもぐり込んでいます。ミツを吸っているんでしょうか。花は下から上へ順に咲き、下の方ではもう実をつけ始めていました。

 ゴマの花を撮影した後、関東地方は集中豪雨で河川の氾濫が相次ぎました。荒川のすぐ脇にあった皆野町のあのゴマ畑。少し高くはなっていましたが、大丈夫だったでしょうか。異常気象のせいか、このところ各地で記録的な豪雨を記録し、甚大な被害を及ぼしています。雨よ降り止めーッ、ゴマ。そんな呪文が、使えるといいのですけど。

撮影/’98.8.12

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