ハクサンコザクラ [山で出逢った花]
<新潟県妙高市> 仕事で標高2,100mにある山小屋の管理人さんに話を聞くため、日本百名山の一座「火打山」に登ったことがありました。妙高戸隠連山国立公園の中でも、なだらかで女性的な火打山は、登山者に人気の山。とはいうものの、それまで本格的な山は登ったことがなく、靴もスニーカーで装備も軽装。今考えると無謀な登山だったと思います。
登山口からブナ林の中をなだらかに木道が続き、山の歩き方を知らないので自然と早歩きになります。黒沢にかかる小さな橋を越えると状況は一変。十二曲がりと呼ばれるつづら折の急登が続きます。ここで東京から来たという年配のご夫婦とそのお姉さんの3人連れに出会いました。「若いんだから、お先にどうぞ」と、道を譲っていただいたのですが、ますますペースが速くなり、途中でへばっていると先ほどの3人に追いつかれ、同じことを何度も繰り返していました。それでもなんとか、登山口から3時間半で、目的の高谷池ヒュッテに無事到着。
登山口からブナ林の中をなだらかに木道が続き、山の歩き方を知らないので自然と早歩きになります。黒沢にかかる小さな橋を越えると状況は一変。十二曲がりと呼ばれるつづら折の急登が続きます。ここで東京から来たという年配のご夫婦とそのお姉さんの3人連れに出会いました。「若いんだから、お先にどうぞ」と、道を譲っていただいたのですが、ますますペースが速くなり、途中でへばっていると先ほどの3人に追いつかれ、同じことを何度も繰り返していました。それでもなんとか、登山口から3時間半で、目的の高谷池ヒュッテに無事到着。
管理人さんに話を聞き終わり、せっかくだから山頂まで行ってみるかと思ったものの、高谷池ヒュッテからだと1時間半かかるとのこと。休憩を含めれば往復で3時間、高谷池ヒュッテから下山にまた3時間ほどかかります。夏で日が長いとはいえ、その時はヘッドライトなどの装備も持ってなく、安全を考えて山頂は断念することにしました。
それでも、ヒュッテの少し先にある、池塘が点在する「天狗の庭」まで行ってみることに。途中、7月末だというのに雪渓が残っていて、冷気がひんやり気持ちよかったです。天狗の庭の少し手前で、ピンクの花畑が現れました。ハクサンコザクラです。登山道から離れていたので、アップで見ることはできませんでしたが、「火打山のアイドル」といわれるだけあって、かわいらしい花です。サクラソウ科で、分布は本州中部の多雪地域に限られ、西限は白山、東北限は飯豊山。雪解け後の湿り気のある草地に生えます。池塘の周囲にも白い花の群生が見られましたが、何の花でしょうか。おそらく、ほかにもいろんな高山植物が咲いていたのでしょうが、当時は花にそれほど興味もなく、余裕もありませんでした。今ならきっと、探しながら歩くでしょう。火打山は紅葉の美しさでも知られていて、昨年、新しい管理人の方にお話を伺うと、10月上旬の3日間が最高とのこと。今年はぜひ、紅葉を楽しみながら、山頂まで挑戦してみたいと思います。
撮影/'96.7.30
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