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アオバナ [作物の花]

<滋賀県草津市>アオバナ01.jpg 伝統工芸には、それを支える材料や道具があるからこそ成り立つ、というものが少なくありません。古くから友禅染や絞り染などの下絵描きに利用されてきた「アオバナ」もそんな一つ。漢字で書けば「青花」。姿形はおなじみのツユクサと同じですが、大きさが全然違います。アオバナは野に自生するツユクサの変種で、花びらが大型で美しい青色をしています。大帽子花とも呼ばれ、この花びらから取り出した染料が水洗いで簡単に落ちることから、今でも需要が絶えないそうです。

アオバナ04.jpg

 このアオバナを今も栽培している農家がわずかに残るというのが、琵琶湖のほとりに位置する草津市です。新潟から向かう途中、富山辺りで本当にバケツをひっくり返したような豪雨に見舞われました。ワイパーを最速にしても雨が瞬く間にフロントガラスを覆い、視界もほとんど利きません。ところが、北陸から滋賀県の方に入ると嘘のように上がり、草津市に着くと夏の青空が広がっていました。異常気象なのか、最近は局地的豪雨が各地で発生しますが、地球は大丈夫なのかぁと、本当に心配になってきます。

アオバナ02.jpgアオバナ03.jpg 草津市に着いてアオバナの畑を探していると、幸先よくおばあちゃんが小さな畑でアオバナを摘んでいました。「昔は、一面アオバナの畑だった」というから、この辺ではどこでも見られたのでしょう。近くにもアオバナの畑があるというので行ってみました。こちらは少し大きな畑で、支柱を立てて栽培しています。もう摘み終えたのか、畑には誰もいませんでした。

アオバナ05.jpg 1mほどに成長した一つの株に、200以上の花を毎朝咲かせるアオバナ。夏の日射しを透かした花は、青色がキラキラとしてきれいでした。けれど暑い、とにかく暑い。朝の7時になるかならないかという時間なのに、太陽はもうだいぶ高い位置にあって、日差しが肌を刺すように痛いんです。摘み取るのは花びらのみ。幾株あるのかわからないけど、これだけの花びらを花が萎んでしまう前に摘み取らなければならないのだから、いかに大変な作業かわかります。アオバナには「地獄花」という別名があるそうですが、こうした暑さの中の摘み取りがキツいからかもしれません。最近は、アオバナの身体への効能や可能性について研究され、さまざまな食品化が進められているようです。だからでしょうか、当時は風前の灯だった畑ですが、ホームページに広いアオバナの畑の写真を見つけました。もっともっと増えるといいですね。

撮影/’98.8.5

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