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モモ(1) [くだものの花]

<山梨県笛吹市>モモ(1)01.jpg 中央高速道を諏訪方面から甲府方面へ向かうと、正面に富士山がくっきりと見えました。これは、幸先いいかも。砂壌土で排水の良い複合扇状台地という恵まれた環境にある甲府盆地は、夏を代表するくだもの「モモ」の全国一の産地。見渡す限りのモモ畑が広がり、4月になれば、一面が文字通りモモ色の花霞となります。中でも笛吹市一宮町は、440ha30万本が植えられているモモの里です。

モモ(1)06.jpgモモ(1)04.jpg 役場からパンフレットといっしょに送ってもらった絵葉書には、咲き競うモモの花の眼下に甲府盆地、その奥には残雪の南アルプスの山々が。さて、あの風景はどこから写したものか。山の中腹からだろうと予想はできますが、なにせ初めて訪れる場所で土地勘がありません。勘を頼りに、高台へと続いていそうな道へと入っていき、少し上ると両側にモモの畑が続いていました。すでに数人のカメラマンが陣取っています。どうやら、絶好の撮影ポイントのよう。振り返ると、モモの花の向こうに南アルプスがくっきり。もう空気までもがモモ色に染まったかのようです。

モモ(1)02.jpg モモ農家の方が作業の手を休めてカメラを取り出し、作業台の上から写真を撮り始めました。「花の時期に、南アルプスがこんなにくっきり見えるのは、何年かに一度だね」。普段は、春霞に煙るのでしょう。どうやら、願ってもない日に訪れたようです。もっといい撮影ポイントはないかと歩き回っていると、「お茶でも飲んでいきませんか」と、果樹園のオーナー夫妻が勧めてくれました。傍らで、手づくりのジャムや桃のコンポートなどを売っています。花を目当てに観光客がどっと訪れるのだから、逃す手はありません。それでも、ささやかな商売は農家ならではですね。

モモ(1)05.jpg 太陽が高く上って暖かくなってくると、シートを広げてモモの花見を楽しむグループも現れ始めました。春の里を華やかに彩るモモの開花。はっきりとした色のせいか、モモの花はウメやサクラに比べ、ふっくらとした感じがします。人々が不老不死のモモを食べてのどかに暮らすという、桃花源記に書かれた「桃源郷」は、一宮のような場所だったに違いありません。一宮に隣接する御坂町も知られたモモの産地。一宮から御坂に向かう途中も、ずっとモモ畑が続いています。御坂でモモの花景色を楽しむなら、一本杉が目印の花鳥山からがおすすめというので向かってみると、一宮同様、南アルプスがモモの花の向こうに望めました。

撮影/'97.4.8

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