SSブログ

ベニバナインゲン [野菜の花]

<群馬県中之条町>ベニバナインゲン01.jpg 日本ロマンチック街道。このシャレた名の道は、本場ドイツのロマンティッシュ・シュトラーセにあやかった、長野県上田市から栃木県日光市まで続く全長320kmの道です。自然や歴史に満ちた情緒たっぷりの街々を抜けていきますが、制定当初は小諸から日光までの全長230kmでしたが、以後、周辺の市町村が参加して小径もでき、現在の形になっています。この街道沿いで、山村の原風景を今に残すのが旧六合村。ベニバナインゲンの産地です。六合と書いて「くに」と読みます。

ベニバナインゲン02.jpg 国道から逸れて山道をしばらく上っていくと、突然、開けた場所に出ました。明治32年頃に開拓された田代原です。雄大な山並みが背後に連なります。旧六合村では、北部の集落でだいたいベニバナインゲンを栽培しており、中でも盛んなのがこの田代原。ヘクタール単位で栽培しており、草丈が3mにもなることから、支柱を立てて伸びた蔓を這わせています。ベニバナインゲンはその名の通り、花色が鮮やかな緋色(濃い朱色)で、大きく目立つ花を長い期間数多く咲かせるため、「花豆」の別名があります。

ベニバナインゲン03.jpg 「色がもうきれいじゃないでしょ」。ベニバナインゲンの花を撮っていると、遠くで声がしました。振り向くと、この田代原に畑を借り、太田市から通ってイチゴをつくっているという農家の方が、畑仕事の手を休めてこちらの様子を眺めています。間にはふかふかに耕された畑があり、15mほどの距離までしか近づけず、お互いに大声で話すはめになってしまいました。7月20日ぐらいが、花びらの緋色がもっともきれいだというから、少し遅かったようです。

ベニバナインゲン05.jpgベニバナインゲン07.jpg 冷涼な気候を好むベニバナインゲンは、標高9001300mが栽培適地とされ、開花・結実時期の気温が30℃を超える地域では、花が咲いてもほとんど結実しないのだとか。そのため、北海道や東北、長野県、群馬県、山梨県の高冷地など、夏に冷涼な地域のみ栽培されているようです。標高1100mほどの田代原のベニバナインゲン豆は、大粒で品質が良いとされ、種用に珍重されています。田代原の帰り道、農協の直売所でこのベニバナインゲンの煮豆缶詰をおみやげに買って帰りました。豆は肉厚で大きく、赤紫色の地に黒の斑が入っていることから「紫花豆」と呼ばれています。それにしても、大きな豆です。食べると、ほどよい甘さで、ホクホクしておいしい。もっと買ってくればよかったと、少し後悔したほどです。

撮影/'00.8.6

banner.blog.with2.net.jpeg

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ジョチュウギクモモ(2) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。