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ブドウ [くだものの花]

<山梨県甲州市>ブドウ01.jpg 必ずしもいいブドウからいいワインができるとは限らないが、悪いブドウからは決していいワインはできない──。ワイナリーで聞いた話ですが、なるほどと思いました。畑から吸い上げたいろんな成分が瓶に詰められるから、畑ごとにワインが違うというのも納得です。

ブドウ02.jpg 丘から望むと見渡す限りブドウ畑が続き、視界の両端は山が迫って、奥には甲府盆地が広がります。甲府盆地の東端、日川の扇状地を中心にブドウ畑が広がる甲州市勝沼は、ブドウ、ワインの生産量日本一の町。ブドウは、世界で最も多く栽培されている果実ですが、その80%はワインに加工されているそうです。日本でのブドウ栽培は、718(養老2)年に奈良時代の高僧行基が中国から持ち帰り、勝沼で栽培したのが始まりといわれています。勝沼はまた在来種である甲州ブドウの発祥地であり、甲州街道の宿場として栄えた江戸時代には、すでにブドウの名産地でした。

ブドウ03.jpg 勝沼は耕地の99.8%が果樹園、そのうち80%がブドウ園だとか。130軒ほどある勝沼のブドウ園では巨峰、甲州、甲斐路、デラウエア、ネオマスカットなど、30種ほどが栽培されています。地域全体が扇状地で、日当りの良い南西面に3度から5度の傾斜が広がります。気象的にも最高気温39℃、最低気温マイナス13℃、年間の平均気温13.6℃と、典型的な内陸性気候です。春に多少の降雨があり、開花時期は高温、乾燥。成核期に雨が降り、着色から落葉の期間まで晴天に恵まれ、秋は吹きおろす冷たい風によってブドウに着色と味覚が加えられるのだとか。

ブドウ06.jpg この勝沼のシンボルとなっているのが、小高い丘のてっぺんにある町営「ぶどうの丘」。ここからは一面に広がるブドウ畑が望め、家以外はすべてブドウ畑じゃないかと思えるほど。甲府盆地の向こうに南アルプスの山並みが望めるはずですが、あいにく水蒸気で遠景がかすんで見えません。

ブドウ04.jpg 「ブドウは花なんて咲くの?」という人がいましたが、花が咲かなければ実は結びません。考えれば当然のことですが、バラのような華やかな花びらが無く、雌しべと雄しべのみで、枝の一部に円錐花序につきます。だから花という感じがしないのでしょう。ブドウの場合、花を愛でるというより、季節ごとに彩りを変えるブドウ畑の風景を楽しむのがよさそう。ブドウは秋に紅葉し、これがなかなか美しい。ブドウ・ワイン尽くしの旅というのも、いいかもしれませんね。

撮影/'98.5.22

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