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ソバ(1) [作物の花]

<長野県長野市・新潟県小千谷市>ソバ(1)01.jpg 山裾から冷たい霧が流れ下って、山里の窪地を埋めてしまうような土地に多いソバの産地。冷涼な霧がソバに甘み、香り、粘りを与えるのだそうです。長野県北部、戸隠山の南東麓に位置する戸隠のソバも、そうした「霧下ソバ」と呼ばれる一つ。戸隠神社奥社の参拝帰りにそばをいただきましたが、とてもおいしかったですね。
ソバ(1)02.jpg

標高1000m前後の戸隠は、昼夜の気温差が大きく、霧が発生しやすいのだそうです。そのためか、何度か訪れていますが、すっきり晴れたことがありません。花が咲く9月に向かったのは、戸隠そば博物館近くの広いソバ団地。この日も、どんよりとした雲に覆われたまま。一瞬日が差し、あわてて畑全体が見渡せる場所まで斜面を駆け上ったのですが、1枚撮ると太陽はまた雲に覆われてしまいました。

ソバ(1)03.jpg ソバはタデ科の1年草。原産は中央アジアから中国東北部とされ、日本へは朝鮮半島を経由して伝来し、10世紀頃から一般に栽培され始めました。白い小さな花が密集して咲きますが、かなり前に長野県阿智村で赤い花が咲く「高嶺ルビー」という品種のソバ畑を見たことがあります。白い花も可憐ていいですが、赤い花もまた違った魅力があります。ソバの花は、朝7時頃から開き始め、11時頃にはだんだん花を閉じていくので、花を見るなら午前がお勧めです。葉もハート形をしていてかわいいです。

ソバ(1)04.jpg 織物の産地として知られる新潟県小千谷市もそばの産地。ちぢみ織りの糸を縒るときに、毛羽立ちを抑える糊づけにフノリという海藻を使いますが、魚沼地方ではこのフノリをつなぎにしてそばが打たれてきました。このフノリそばを、杉板をへいで(剥いで)つくった「へぎ」と呼ばれる器に持って出されます。
ソバ(1)05.jpg
 魚沼コシヒカリで知られる通り、小千谷は米もおいしい地域。ソバも昔から作られてきましたが、開田によって稲作に転じていきました。減反政策によって、転作作物としてまたつくられ始めましたが、面積消化作物という意味合いが強かったようです。そこで、名実ともに魚沼をソバ産地にしようと、そば屋、生産農家、県が一体となった研究会を発足。一体となったソバの生産体制づくりが始まりました。地元の粉は、利きソバでも香りが違うと評判がよく、他のソバ産地の粉と比べても遜色がないという評価をもらっているそうです。郊外の五辺地区や小栗田地区のソバ畑では、ちょうど白い花が咲き始め、見事な景観をつくり出していました。

撮影/'98.9.15'01.9.23

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