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八重ザクラ [作物の花]

<神奈川県秦野市>八重ザクラ01.jpg 誰もが開花を心待ちにするサクラ。サクラは主に北半球に分布していて、日本には6系統の原種の流れをくむ300以上の品種があります。これらは、より美しいサクラが見たいと、交配を重ねて生み出したもので、花の重ね、色、枝ぶりなど、優美な特徴をもつ多彩な品種が揃っています。ソメイヨシノは今や全国の約8割を占めるサクラの代名詞的存在ですが、そのほかにも薄緑のギョイコウ、八重咲きのショウゲツ、花色の濃いベニシダレなど、特徴ある美しいサクラもたくさんあります。

八重ザクラ05.jpg八重ザクラ03.jpg 花を愛でるソメイヨシノの名所は全国各地にありますが、花びらそのものが商品になるサクラがあるのをご存じでしょうか。婚礼の席で出されるサクラ湯やあんぱんの上に乗っている塩漬けのサクラです。この塩漬けのサクラの原料となるのは「関山」という品種の大輪八重のサクラで、ガクを除いた花全体を塩と梅酢で漬け込んでつくります。このサクラ漬け生産の、全国シェア7〜8割を占めるのが神奈川県秦野市の千村地区です。どんなサクラなのか見たくて、出かけてみました。秦野に着き、この辺かなとあてずっぽで入り組んだ道を進むと、濃いピンクの八重ザクラが道に沿って数本並んでいました。勘が冴えています。

八重ザクラ02.jpg 奥の方でなにやら、木に上って花を摘んでいるお父さんを発見。なんだか花咲じいさんに見えなくもないですね。「この木がこの辺で一番濃い色なんだよ」と、お父さんは自慢げに話します。確かに、同じように見えたサクラの花も、白っぽいもの、薄いピンク、濃いピンクがあります。ピンクが濃いものほど高値で買ってもらえるのだとか。花を摘みながら、お父さんはいろいろと話を聞かせてくれました。360度ぐるりと大きく枝を広げた幹の真下にいき、見上げてみました。ピンクの花が降り注いでくるかのようです。樹齢どのくらいなんでしょうか、立派なサクラの木です。

八重ザクラ04.jpg 住宅地を抜けると、正面に丹沢の山々を望む開けた場所に出ました。小道の先に、柵で囲まれた八重ザクラの畑があります。自転車で追い抜いていくおじさんに挨拶すると、「きれいでしょう。お金のなる木」と、サクラを指差して笑います。どうやら、八重ザクラの畑の持ち主のようです。この週末が摘み頃で、親戚や近くの中学生、高校生をアルバイトで雇って一気に摘むのだとか。にぎやかな花摘みになることでしょう。美しいから鑑賞にもいいし、お金にもなるなら、一本欲しいものです。
撮影/'00.4.22

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