地ダイコン [野菜の花]
<長野県坂城町>
頭の奥の方が、ツーンときて思考停止状態に。とにかく辛い。皿に盛ったそばにツユをぶっかけて食べる「越前おろしそば」。その取材で、福井県武生市を訪ねたとき、そば屋のご主人が「辛みの一番強い地ダイコンがあるけど、これでやりましょうか。辛いのは大丈夫?」と、小ぶりのダイコン(写真)を見せて訊きます。つい「せっかくだから」と地ダイコンでお願いしました。一口食べてみたけど、んッ? さほど辛くはない。と思ったら、頭の奥の方で、ツツーンと辛さが広がっていくではありませんか。辛さは予想以上に強烈でした。「心臓が悪い人は、やめた方がいいぐらい。あんまり辛いんで、途中でギブアップする人もいますね」とご主人。食べる前に言って欲しかった……。
越前そばの強烈な辛さが、まだ頭に残っているものの、もう一度食べてみたいと思わせる魅力があります。坂城町周辺には「おしぼりうどん」という、地ダイコンの絞り汁に信州味噌を溶いて食べるうどんがあるそうです。一度体験してみたいですね。
撮影/'00.5.3
頭の奥の方が、ツーンときて思考停止状態に。とにかく辛い。皿に盛ったそばにツユをぶっかけて食べる「越前おろしそば」。その取材で、福井県武生市を訪ねたとき、そば屋のご主人が「辛みの一番強い地ダイコンがあるけど、これでやりましょうか。辛いのは大丈夫?」と、小ぶりのダイコン(写真)を見せて訊きます。つい「せっかくだから」と地ダイコンでお願いしました。一口食べてみたけど、んッ? さほど辛くはない。と思ったら、頭の奥の方で、ツツーンと辛さが広がっていくではありませんか。辛さは予想以上に強烈でした。「心臓が悪い人は、やめた方がいいぐらい。あんまり辛いんで、途中でギブアップする人もいますね」とご主人。食べる前に言って欲しかった……。
下膨れの形とねずみの尻尾のような細長い根が特徴の、坂城町の「ねずみダイコン」も辛みの強い地ダイコン。千曲川沿いの傾斜地を利用してつくられているそうなのですが、国道18号線から適当なところで坂を上っていくと、新興住宅地に出ました。どこにも問い合わせず、思い立って出かけてきたものの、さすがに何の当ても無いとダイコン畑は見つかりません。あきらめかけると、一軒の農家の家のすぐ横、ほんのわずかですが、白い花を咲かせたダイコンの畑に出逢いました。地ダイコンは、各農家がつくる分を自家採種しているとのこと。周囲を探したけど、広い畑は見当たりません。
「これだけで、十分な量のダイコンがつくれるんだよ」。ダイコンの花が咲く畑の隣で、ブドウをつくっているおじさんが、ちょうど農作業に来ていて教えてくれました。「この先のうちの畑にもダイコンの花が咲いてるから見てきな。いろんな角度から撮ってよ」と、なかなかアピール上手。行ってみると、住宅地の外れに、やはりわずかな面積ですが、花を咲かせたダイコンの畑がありました。ダイコンは、1mほど伸びた茎の先に、白い十字形の花を総状につけます。花びらの先の方が紫色を帯びている花もありました。近くの畑では、モモの花や菜の花が満開。ダイコンの白と、モモのピンク、菜の花の黄、空の青のコントラストが、気持ちいいほどです。越前そばの強烈な辛さが、まだ頭に残っているものの、もう一度食べてみたいと思わせる魅力があります。坂城町周辺には「おしぼりうどん」という、地ダイコンの絞り汁に信州味噌を溶いて食べるうどんがあるそうです。一度体験してみたいですね。
撮影/'00.5.3
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