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タバコ [作物の花]

<岩手県一関市・新潟県妙高市>タバコ01.jpg

タバコ02.jpg

 キセルをご存じでしょうか。刻みたばこを吸う道具で、昔、祖父が囲炉裏の前に座り、キセルでタバコをうまそうに燻らせていたのを思い出します。かつてキセルの一大産地だった新潟県燕市で、キセル職人の方を取材したことがありました。90歳を過ぎてもなお現役で、これまでつくった一番の自信作を訊ねると、「これからつくる作品じゃないでしょうか」と、意欲満々でした。何事にも前向きというのが、若さの秘訣のようです。

タバコ03.jpg 喫煙の場所がどんどんなくなり、肩身の狭い愛煙家ですが、以前は周辺でもかなり見られたタバコ畑も、ふと気づくと最近は見なくなりました。やはりタバコの消費量もぐっと減っているのでしょうね。ナス科のタバコは南米ボリビアの高地が原産とされ、太い茎を伸ばして卵形の大きな厚い葉をつけます。葉は大きいもので長さが約70cm、幅が約30cm。この葉を乾燥させて、加工したものが紙巻たばこや葉巻などです。タバコの栽培には、「心止め」という作業があります。タバコは背の高い茎のてっぺんに淡い紅色の花を総状につけるのですが、葉に十分な栄養を行き渡らせるために、咲いた花を摘み取ってしまいます。だから、花を見ることができるのは、ほんのわずかな時間なのです。

タバコ05.jpg 岩手県一関市千厩町一帯は、全国有数の葉タバコの生産地として知られていました。千厩には仙台地方専売局千厩出張所があり、その敷地に隣接して「たばこ神社」が建てられたほどです。けれど、喫煙者の減少で葉タバコ生産が激減。タバコ畑も少なくなってしまいました。千厩を訪ねたときは、探し回ったものの、ほとんどの畑が心止めをした後。それでも1カ所だけ、まだ花を咲かせていた畑を見つけることができました。

タバコ04.jpg 新潟県妙高市の大鹿地区も、約350年前に越後で最初に栽培を始めた歴史ある葉タバコの産地です。当時の高田藩がタバコの改良・増産を図り、幕府に献上して以来、その名が全国に広まりました。高級葉タバコの産地として知られていましたが、昭和40年代から葉タバコ生産農家が減少し、10年ほど前についに大鹿地区からタバコ畑が姿を消してしまったそうです。訪れたのはもう20年近く前ですが、このときはまだ、かなりの広さのタバコ畑が残っていた気がします。タバコ畑といっしょに日本百名山の一座、妙高山の雄姿が望めたのが印象的でした。タバコ畑はこれから、ますます貴重になるかもしれません。

撮影/'97.6.30'00.7.7

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