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ミツマタ [作物の花]

<岡山県真庭市>ミツマタ01.jpg 紙幣が刷新されることがあります。前回は、2004111日、20年ぶりに新紙幣に変わりました。一万円札の福沢諭吉は続投でしたが、五千円札が樋口一葉、千円札が野口英世に。新しい紙幣を発行する一番の目的は偽造防止で、コンピュータの高性能化や低価格化にともない、紙幣偽造に使われるカラースキャナーやコピー機の精度も向上。偽札事件が急増したから、新紙幣の発行なったそうです。

ミツマタ02.jpg 日本の紙幣の偽造防止技術は世界最高水準にあるそうですが、紙の品質も群を抜いています。高額紙幣用紙の原料は、ミツマタを中心にマニラ麻、木綿、ワラなどの繊維をミックス。ミツマタで漉いた和紙は、破れにくく、変色しない、虫がつかないなどの特長があります。ちなみに、前一万円紙幣1枚の製造原価は20円ほどだそうですが、新しい紙幣は手が込んでいる分、それよりもコストがかかっていそうです。単価はいくらくらいなんでしょうか。

ミツマタ03.jpg 岡山県の県北は、このミツマタの産地の一つで、山の斜面などを利用して栽培されています。中でも、財務省印刷局に納めるミツマタを、もっとも多く栽培しているのが真庭市(旧久世町)です。栽培の中心は山あいの樫西地区で、向かうとさっそく道路脇の山の斜面に黄色の花をつけたミツマタの畑を発見しました。ミツマタはジンチョウゲ科の落葉低木で、名の由来は枝が3本に分かれて出ることから。葉が出る前に、枝先に筒状の花が蜂の巣状に集まって咲きます。花の内側は黄色、外側は白い絹毛で覆われていて、遠目で見ると枝先に黄色いポンポンをちょこんと乗せた感じ。彩りの少ない早春の山里に、灯りを点しているかのようです。

ミツマタ04.jpgミツマタ05.jpg 周辺をうろうろ散策していると、山の斜面にかなり広く栽培している畑を見つけました。とはいえ、道路と畑の間には棚田があり、細い畦道をバランスを取りながら歩かなければならず、近づくのも一苦労。この辺りは山が迫っているため、空がとても狭く、圧迫感を感じます。近くの集落の片隅にミツマタの畑を見つけたとき、一瞬、雲間から日が差し、ミツマタの花が金色に輝き出しました。なかなかきれいです。

 樫西地区の和紙工房には、ミツマタでしょうか、樹皮が干してありました。このミツマタの樹皮も、やがて高額紙幣になるのかもしれません。「金は天下の回りもの」といいますが、久世のミツマタでつくられたお札が、いつかは回ってきてほしいものです。できれば、福沢諭吉さんで。

撮影/'00.4.21

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