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カタクリ [山で出逢った花]

<新潟県新潟市・秋田県仙北市>カタクリ01.jpg 誰もが知っている有名無実の食材があります。片栗粉──揚げものや中華料理のとろみづけなどに幅広く使われる食材ですが、もともとは自生するカタクリの根茎から取れるでんぷんを使っていたことからこの名があります。しかし、現在はカタクリの自生が減少したため、性質が似ているジャガイモのでんぷんが使われており、名前だけが残ったものです。カタクリ02.jpg

 新潟市街からほど近くに角田山があります。標高487.1、「新・花の百名山」にも挙げられる、多くの人に親しまれている山です。カタクリや雪割草の群生で知られているのですが、これまで見たことがありませんでした。本当に、カタクリなんて咲くのかなぁと、ずっと半信半疑だったのですが、今年の春、とうとう目撃しました。カタクリ04.jpg


 いくつも登山コースがあるのですが、友人から聞いたコースに登ると、突然登山道の両脇にカタクリがびっしり。途中からは登山道にまで進出し、踏まずに歩くのが大変なくらいです。これが1
kmほど続くのです。もちろん登山道だけでなく、山の斜面にもずっとカタクリが続きます。花の名山という称号も納得です。カタクリは発芽してから開花までには8年もかかるとか。うつむき加減に咲く愛らしい姿からでしょうか、花言葉は「初恋」。カタクリの名は、球根を割ると片方が栗の実に似ているからとも、古名の傾籠が転訛したものともいわれています。

カタクリ03.jpg かなり昔ですが、広大な栗林一面に群生するカタクリを見にいったことがあります。場所は秋田県東部、田沢湖西岸に接し、檜木内川流域に広がる仙北市西木町。大粒で知られる西明寺栗の産地で、カタクリはなだらかな山腹に広がる栗林の下に自然に咲いたもの。ここは私有地ですが、花の時期だけ一般に公開しています。広さは20haにもおよび、規模も密度も国内随一。西木町のカタクリが、名の由来になった栗の林に根づいたのもおもしろいですね。
 カタクリ05.jpg

 山への入り口で入園料を払い、駐車場に車を留めて散策路を歩いていくと、さっそくカタクリが出迎えてくれました。これほど一面びっしりとカタクリの紅紫色の花で埋め尽くされている光景は初めて見ます。通路がかろうじて確保されているといった感じです。一周するとかなりの距離になりますが、車でまわることもできます。栗の木の剪定や間伐による日当たりの良さ、肥培管理など、これほどの群生になったのは地元の方の努力があったからこそ。本当に見事な群生でした。

撮影/1997.4.262016.4.3

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