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ヘチマ [作物の花]

<富山県射水市>ヘチマ01.jpg 銭湯に掲げられた、「わ」の字が書かれた板。裏側には「ぬ」の一文字。(湯が)沸いた、(湯を)抜いたのシャレで、営業中、準備中を意味するそうです。江戸時代のシャレっ気には脱帽しますね。そのお風呂で活躍したのがヘチマです。ヘチマの語源も、シャレが利いています。古くは「糸瓜(イトウリ)」と呼ばれていたヘチマ。このイトウリの「イ」がいつの間にか抜けて「トウリ」に。このトは、イロハニホヘトチリヌ…でいくと、ヘとチの間にあることから、ヘチ間、ヘチマとなったといわれています。シャレを利かせた名だということは、それだけ庶民に親しまれていたということでしょう。

ヘチマ03.jpgヘチマ04.jpg 富山県射水市に「ヘチマ産業」という会社があります。町おこしでヘチマ栽培に取り組み、生産者たちで立ち上げた会社です。ヘチマ化粧水を始め、ヘチマたわしなど、さまざまな商品を開発し、販売しています。ヘチマの花を見たいと思い、代表の瀧田さんに連絡を取り、畑を見せていただくことにしました。射水市の旧大島町は富山市の西。瀧田さんは外出中でしたが、会社の方に了解を得て畑を見学。ヘチマ畑は会社からほど近い、住宅地に隣接した場所にありました。棚には大きなヘチマが鈴なりにぶら下がっていて、花と実を同時に見ることができます。この日は雲が広がるパッとしない天気でしたが、かえってヘチマの黄色の花が目立ちます。

ヘチマ02.jpg

 ヘチマはウリ科の一年草で、熱帯アジアが原産。日本には江戸時代初めに渡来し、広く栽培されています。夏から秋にかけて直径510cmの黄色の花を咲かせ、実は熟すと強い網状繊維が発達します。一日に2030cmも蔓を伸ばす時期があり、油断するととんでもないところに絡み付いて、はぎ取るのに苦労するそうです。棚で栽培されていたのは、たわしをつくるためのヘチマでした。

ヘチマ05.jpg

 ヘチマ棚の隣には、地面に直に蔓を這わせた畑がありました。ここも、花が満開です。緑色の葉の中に黄色の花が模様のように咲き、目を楽しませてくれます。作業をしている方がいたので訊ねてみると、ここはヘチマ水を採る畑なのだとか。ヘチマの茎を切り、容器に差し込んでおくと液がたまるそうです。仲秋の名月の頃が、一番良い水が採れるとのこと。江戸時代、ヘチマ水は「美人水」と呼ばれ、美顔化粧水として親しまれたそうです。化学的につくられた製品が多い中、最近また、こうした自然素材が見直されているのはうれしいことです。

撮影/'03.8.11

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