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スイカ [くだものの花]

<新潟県南魚沼市・富山県入善町>
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 新潟県南魚沼市の「八色スイカ」は、日本一甘いと評判なスイカ。名前は地名からで、「やいろ」と読みます。八色原の肥沃な土壌と、昼と夜との温度格差によって、他の地域のスイカに比べて糖度が高く、シャリッとした独特の歯ごたえが特徴です。

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 スイカ畑を訪ねると、一面緑の葉でびっしり。花はもう終わってしまったのか、それとも早過ぎたのかと思ったら、小さな花が葉の間から顔を覗かせていました。スイカは、淡い黄色の雄花、雌花を同じ株の上に咲かせます。大きな実から、ゴージャスな花を想像しがちですが、スイカの花はとても小さく、葉に隠れてあまり目立ちません。雌花の中には、もう付け根が膨らみ始めているものもあります。すでに一丁前に縞が入っていて、なんだかとてもかわいい。
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 隣の畑では農家の方が摘果をおこなっていました。畝と畝の間に、間引いた幼果が並べられています。スイカのミニチュアみたいで思わず笑ってしまいました。「この一画は東京の市場向け。世話をこまめにして、見映えのいいものをつくるんだよ」と、農家のお父さん。高く売れるから、見た目にも気を配るんですね。

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 冷蔵庫に丸ごと収まるような小玉のスイカが最近は人気のようですが、富山県入善町はラグビーボール型のジャンボスイカの産地。田んぼが続く一帯に、ポツンポツンとスイカの畑が点在します。普通、スイカは病気を防ぐために接ぎ木をしますが、入善のジャンボスイカは自根栽培。みずみずしく、品のいい甘みのスイカができる反面、連作障害をおこしやすく、一度スイカをつくったらその後10年は同じ畑でスイカはつくれないとか。

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 入善一帯は名水の里としても知られ、日本でも数少ない湧水群を有する町。考えれてみばスイカの9割は水。おいしい水が、おいしいスイカをつくるといってもいいかもしれません。花はというと、どうしたのか、みんな萎んでいます。しばらく待ちましたが、一向に開く気配はありません。訪ねるのが少し遅かったのかなぁ。あきらめて帰ろうと車をしばらく走らせたましたが、やはり気になって引き返しました。再び、最初の場所へ戻ってみると、花がちゃんと開いているではありませんか。時計を見ると8時。どうやらさっきは、時間が早すぎたようです。きっと、虫が活動しない朝早くでは、花を咲かせても意味がないからでしょう。真っ赤に熟れたあまーいスイカの季節到来。また、あつーい夏がやってきます。

撮影/'97.6.14'00.6.15

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プラム [くだものの花]

<山形県中山町>
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 スモモも桃も桃のうち。早口言葉でおなじみのスモモ、今は「プラム」といった方が通りがいいでしょうか。大石早生やソルダム、太陽、秋姫などの品種があります。このプラムの花はというと、葉に先立って、花径15mmほどの白い5弁の花を枝いっぱいに咲かせます。花が満開のプラム畑は、雪をまとったようにきれいです。

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 このプラムの、東北一の生産量を誇るのが、最上川沿いに広がる中山町。サクランボやリンゴ、ラ・フランス、ブドウなどを栽培するフルーツ王国です。町の東側は最上川と須川に挟まれた肥沃な水田地帯で、西側の丘陵地で果樹栽培が盛んにおこなわれています。余談ですが、山形県の秋の風物詩として知られる「芋煮会」は、ここ中山町が発祥の地だとか。元禄時代、当時盛んだった最上川舟運の船頭たちが、河畔で鍋に芋を煮て食べたのがその始まりといわれています。

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 お隣の山辺町との境、山への坂道を上っていくと、花が満開のスモモ畑が目に飛び込んできました。山全体がスモモの白い花で満開といった感じです。農作業用の道でしょうか、軽トラがやっと走れるような小道をいくと、スモモの白い花の向こうに街並み、遠くには春霞に煙る山並みがうっすらと望めます。同じ時期にプラムと同じような白い花を咲かせるサクランボも、この辺りでは当り前のように栽培されており、最初はその区別がつきませんでした。後で調べてみると、プラムもサクランボも、バラ科サクラ属の落葉木。似ていて当然です。プラムの方が、花が少し小ぶりでしょうか。

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 スモモ畑で作業をしていたご夫婦がいたので、了解をいただいて、畑に入らせていただいて写真を撮らせてもらいました。枝を大きく広げた花満開のプラムの木を下から見上げると、空の青さと花の白のコントラストがとてもきれいです。中国では、プラムは春の花として、桃とともに古くから愛されてきたといいます。「春だねぇ」。空気のやわらかなトーンに、ふとそんな言葉が口をついて出ました。

 6月に入って果実の時期になると、中山町のプラムが近所のスーパーにも並びます。最初が「大石早生」、続いて果肉が真っ赤な「ソルダム」、秋に近づくと「秋姫」。酸桃(スモモ)と名づけられたのが嘘のように甘く、適度な酸味も残っていておいしい。もしかしたらこのプラムは、撮影させてもらった木の果実かもしれないと考えると、なんだか余計においしく感じます。ようこそ、わが家へ。

撮影/'97.4.26

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サクランボ [くだものの花]

<山形県寒河江市・新潟県聖籠町>サクランボ01.jpg

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 口の中で甘い果汁が弾けます。今年もおいしくいただきました、初夏のルビーともいわれるサクランボ。サクランボの国内生産量の約7割近くを占めるのが山形県です。導入当初は、缶詰の加工が主体でしたが、新品種「佐藤錦」の誕生で、生食の高級フルーツとしての地位を確立していきました。サクランボは寒さに強く、乾燥地に適した果樹。開花後、4560日ほどで果実が熟しますが、5〜6月にかけての雨が大敵。熟したサクランボに雨が当たると、実が割れてしまうんです。サクランボの産地を訪れると、果樹を取り囲むようにパイプが組まれていますが、これは実割れを防ぐための雨よけのハウスです。栽培に手間がかかる分、高価なのかもしれませんね。

サクランボ03.jpgサクランボ04.jpg 朝早く、サクランボの花を撮るために寒河江市郊外の山の斜面に広がるサクランボ園を訪れると、不思議な光景に出逢いました。サクランボの果樹園に、火を焚いた缶が点々と置かれているんです。後で調べてみると、サクランボは花が咲く時期の霜も大敵で、サクランボの開花時期に気温が下がり過ぎると花が咲かなかったり、咲いても実がならなかったりするのだそうです。畑の中で火を焚くのは、そうした遅霜の害を防ぐためのものなんですね。この日の朝も4月末だというのに、吐く息が白いほどでした。

 バラ科サクラ属のサクランボの花は、葉が出る前に一斉に咲きます。花は白く、サクラに似ています。遠目で見ると、木々に降り積もった雪みたいで、なかなかきれいです。サクランボの花見ができそうですが、地元の人たちは見慣れているのでしょうか。サクラのように観賞用のサクランボを植える、なーんてのもいいかもしれません。

サクランボ05.jpg 新潟県聖籠町もサクランボの産地。仕事でお世話になったサクランボ農家が、ミツバチを使って授粉をするというので見せてもらいました。訪ねると、ちょうど主力の佐藤錦の花が満開。園内には巣箱が2つ置かれ、ミツバチが花から花へせっせと飛びまわっていました。余談ですが、山形にはサクランボのハチミツがあります。おいしいハチミツです。晴天になり、気温も上がってミツバチの活動も活発になってきました。それにしても、すごい花の数です。木1本にどれくらい花が咲いているのでしょうか。これではミツバチにがんばってもらうしかありません。天候に左右されやすいサクランボですが、ミツバチの活躍で初夏にはたわわに実をつけたようです。

撮影/’99.4.30’12.4.28

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アーモンド [くだものの花]

<静岡県浜松市> 

アーモンド01.jpg アーモンドを一日25粒食べて体質改善を図る、「ナッツ健康法」というものがあるとか。「アーモンド効果」という飲料のCMもよく見ますし、アーモンドが今、注目を集めているようです。南アジアから西アジアが原産地のアーモンドには、食用の甘仁種と薬用の苦仁種があり、地中海沿岸とアメリカ・カリフォルニアで栽培が盛んです。

アーモンド_2.jpg チョコレートや洋菓子などでおなじみのアーモンドですが、どんな花を咲かせるのか知っている人は少ないかもしれません。アーモンドは乾燥に強く、雨が少ない温暖な気候を好むため、多湿な日本ではあまり栽培されていないからでしょう。明治初年に栽培品種が導入されましたが、普及はしませんでした。9月頃に実が熟し、果肉はモモと違って硬いが熟すと2つに割れ、核が落ちやすくなります。この核の中の仁(種子の種皮を除いた部分)が、私たちが食用にしているアーモンドです。 日本ではまったく栽培していないのか調べてみると、浜松市のフルーツパークで600本ほどが栽培されているとわかり、さっそく出かけてみました。「はままつフルーツパーク時之栖」は、東京ドーム9個分の敷地に、フルーツ狩りが楽しめるイチゴやサクランボ、モモ、ブドウなど15種のくだもののほか、さまざまな果樹を栽培している農業公園。こうした農業公園って、ありそうであまり見かけませんね。
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 開園前かなり早い時間に到着。開園時間を待つのももどかしい。ネットで開花は確認していましたが、どれくらいの咲き具合なのか、どんな花なのか。気持ちが逸ります。ようやく開園時間となり、入園券を買って入場口を進むと、アーモンドの苗木をプレゼントしていました。案内板に従って、期待に胸を躍らせながら園内を奥へと進むと、「アーモンド園」のプレート。「あった。ん、でもこれってモモ!?」。満開のピンクの花は、まさにモモの花そのものです。しかし、プレートには確かに「アーモンド」と書かれていて、間違いないようです。

 モモの花と見間違うのもそのはず。アーモンドはモモと近縁で、よく似た花が咲きます。少し、モモの花よりも大振りで、色も鮮やかなような気がします。アーモンドは新葉が出る前に、花径4cmほどの花びら5枚の花を咲かせます。まとまって咲いていると、やはり美しい。ベンチなども置かれていて、ゆっくり花を眺めることができます。サクラならぬ、アーモンドの花見というのも悪くないですね。

撮影/03.3.18

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